【MBA受験】より効果的な英文レジュメの作成法
MBA受験Tipsシリーズ、今回はキャンパスビジットやMBAフェア等に持参する英文レジュメについてです。
私は、英文レジュメはエッセイに匹敵するほど大事な書類であると考えています。その理由と効果的な作成方法を解説します。
ちなみに私はアドミの手伝いで日本人の英文レジュメに結構目を通していたのと、
現地インターン先でも日本人の採用を任されて、日本人が書く英文の職務経歴書(CV)を読んでいたので、
このTipsはかなり自信があります。
英文レジュメはなぜ大切なのか?
1.アドミの初期的なスクリーニング資料になる
アドミは世界中を飛び回り、多くの受験生と接しています。
その中で、自校とフィットする学生か否かをアプライ前にある程度選別しています。
その際に使われるのが英文レジュメです。
とあるMBAフェアの1ON1イベントのお手伝いをしたことがあります。
30分毎に受験生が入れ替わり、アドミと交互に面談をする、という場でしたが、前後5分間でアドミがものすごいスピードで英文レジュメを読み込み、
「次に来る学生は良さそうだね」「この子、ちょっとMBAって感じじゃないかな」など話していたのを覚えています。
印象に残るレジュメで、アドミに名前を覚えてもらえれば、キャンパスビジット等での対応も変わってきますし、選考も優位に進められることでしょう。
2.面接時の質問のベースになる
アプライ後の面接では、面接官は一般的にエッセーの他に英文レジュメのコピーも保有しており、レジュメベースで質問が飛ぶこともあります。
代表的なのは、「Walk me through your resume」という質問です。これまでの職歴を説明してくれ、という意味で、たいてい面接の冒頭に訊かれます。
面接の中盤でも、レジュメにはリーダーシップが強みと書いているが、具体的には?とレジュメを掘り下げられることあります。
レジュメをしっかり作り込んでおけば、こうした質問にもレジュメに沿って簡潔に応えられます。
必ず聞かれる「Classroom Contribution」系の質問(クラスにどういう貢献ができると考えるか?)についても、
「レジュメに書かれている通り、XXXという経験をしてきたので、●●という分野では貢献できます」のような回答ができます。
英文レジュメで抑えるべきポイント
英文レジュメのコツは、「アドミが知りたい情報だけを、1分で読んで分かるように書く」です。
アドミが知りたい情報は以下の4つです。
1.Aspirationがある人材かどうか
要は、「長期的に実現したい夢がある!」ことです。
間違っても、MBBやGAFAに入るとか書いてはいけません。
MBAが実質的な転職予備校であることは否定しませんが、Programの主目的は「グローバルに活躍するビジネスリーダーの養成」ですので、
グローバルでこういうリーダーになって、社会にこういう価値を生みたいという思いが必要になります。
やりたいことが決まっていない方も多いと思いますが、とりあえずでもよいので仮決めしてしまうとよいです。
2.Classroomに貢献できる専門分野があるか
MBAは相互に学び合うことが前提のプログラムなので、大学側としてもクラスへの貢献ができそうな学生かを気にします。
何か1つ、自分のビジネス経験から誇れる専門分野を作り、レジュメに書いてみてください。
業種・職種のどちらでも良いと思います。例えばメーカーで経理部所属であれば、「半導体に詳しい」でも「会計のスペシャリスト」でもどちらも専門分野になり得ます。
恐らく、多くの謙虚な日本人は10年戦士であっても「プロと呼べない…」と感じると思いますが、思い切って「Specialize in~」とか「 Expert in」と書いてしまって良いです。
対照的ですが、アピールの強い某国の受験生なんて、2年間Excelで表を美しくするアナリスト的な仕事しかしてなくても「Expertise in Data Analyst」とか平気で書いてきます(笑)
MBA受験なんてそんなものです。
また、学部の成績やGMATスコアがあまり良くない場合は、専門分野でIntelligenceを示して挽回することもできます。
何か高度な知識を必要とする仕事をこなした場合や、証券アナリストや中小企業診断士等の難関資格を持っている等の場合は、ぜひ盛り込んで書いてください。
3.リーダーシップが取れる人材か
MBAプログラムの存在意義は「リーダーの育成」です。
このため、プログラム中も学生自らリーダーシップを発揮することが求められますし、グループワーク等が多く取り入れられています。
必然的に、選考の過程でもリーダーになれる人材か?が見られています。
特に、30歳を超えてMBAに応募する人は、若い学生を引っ張っていってほしい、という思いが強いので、何としてでもリーダーシップ・エピソードを入れたいです。
日本人がリーダーシップと聞くと身構えてしまうと思いますが、大層な経験である必要はないです。
管理職や主任経験があれば、部下やチームリーダーをマネジメントした実績、管理職でなくてもプロジェクトを率いた経験などは全てリーダーシップに該当します。
ポジションを問わず、例えば全社の利益のために周りに働きかけて業務改善を遂行したなども立派なリーダーシップです。
(MBAの世界では、Influence without authorityという言葉とともに、リーダーシップ≠ポジションではないことも学びます)
4.異文化に適応できるか
日本人の場合、必ずアドミが気にするポイントです。
MBAでは、ダイバーシティ溢れる様々な国籍の人と協働して物事を進めていく必要があります。
一見、簡単なようで、そこには英語力以上に重い「文化の壁」があります。
日本人同士で物事を進める上で当たり前のことも、非日本人には通用しないことも多いです。
また、クラスでは積極的な発言が求められますし、特に日本が話題に上がれば、積極的なインサイトの提供が求められます。
ステレオタイプな日本人らしい、おしとやかで謙虚さとは程通い世界がそこにはあります。
そういう環境でやっていけるか?は必ずアドミは確認します。
例え短期間でも留学経験があれば、国名や滞在期間含めて絶対に書いてください。
経験がなくても、仕事上で非日本人と英語でやりとりしていた、メールをしていた、グローバルな案件に少しでも関与した、という場合はぜひ記載してください。
アドミが読んで分かりやすいレジュメとは
1.簡潔な英語で書かれている
前述のとおり、アドミは短時間で何枚ものレジュメに目を通します。
複雑な構文(1文に関係代名詞を連発する)や専門用語の乱立などは、分かりにくく思われてしまい内容がよくても不利になってしまうので避けたほうがおすすめです。
2.適切な動詞が使われている
意外と見落としやすいのがこのポイントです。
謙虚な日本人がよく使いがちな以下の表現は、変な誤解を招くことがあります。
- Supported, Helped, Assisted
英語≠日本語でニュアンスが異なり、ビジネスでは「庶務的な役割を担う」(エントリーレベルの人材)という印象を与えます。30代の英文レジュメに同様の表現があると、「実は職能が低いのでは」と思われます。
仮にプロジェクト等で自分がリーダーの立場でなくとも、要所でValue-addしたのであれば、InitiatedやExercised leadershipなどの表現を使ってもよいです。
ちなみにPheisterは一時期、英語の契約書(ドキュメンテーション)をチェックし、改正提案をする仕事をしていたのですが、Reviewed contracts and agreements~と書いたらお叱りを受けました。
ReviewはPart-timeでも出来る仕事で、改善案の交渉をしていたのであれば、Created~と書いてよい!という指摘です。
不自然と感じましたが、そんなものか…と納得しました。
- Learned
これもNGです。「ビジネスを通じてマーケティングの知識をLearnした(学んだ)」など日本語では筋が通るのですが、グローバルだとDay1からプロとして働いて当たり前、という発想ですので、ビジネスしながらLearnedってどういうこと?という反応になります。(実際に突っ込まれていた人を見ました)
前述のケースであれば、思い切って、「Expert in Marketing~」と書いてしまって差支えないです。
3.読み手が想像しやすい具体性がある
これはハウツー本でよく書かれているので、詳細な説明は省きますが、具体性を出す簡単なやり方は「数字」と「グローバル企業名」です。
数字はいわずもがな、「多くの投資案件を担当した」よりは「2年間で4億米ドルの投資案件を担当した」のほうが読み手がイメージしやすいです。
(ちなみに、通貨はアプライする国の通貨に合わせるとよいです)
また、もし皆さんがアピールしたい職務経験の中に「グローバル企業」が絡んでいれば、名前を出しちゃってください。
「あ、こういう企業が絡むほど注目度の高い案件ってことね」と読み手の理解も進みます。
おわりに
いかがだったでしょうか?
ハウツー本ではなかなか取り上げない、英文レジュメの中身に焦点を当てた記事にしてみました。
皆様の英文レジュメ作成に、少しでも役立てば幸いです。